薄明

ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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つみきちゃんの命日にはごじょと一緒にお墓参りして、ごじょの作ってくれたつみきちゃん直伝の伏黒家の味がするご飯を食べてぽろって泣くのがおめぐの毎年の流れ。特に茶化すでもなく「やっぱこのタレ美味しいね」て普段と同じようにごじょが接してくれるのもいつものこと。

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ごじょに好き放題ぐっちゃぐちゃのどろどろのへにょへにょにされてるおめぐがとうとう半べそでブチ切れて「っも、やめろ…つってるだろ…!」て禿げるんじゃないかってくらいの勢いでごじょの髪の毛引っ掴みながら顔にグーパンかましてこようとするから「ごめんごめん!調子乗った!(反省ゼロ)」て謝るんだけど、ついでに「じゃあ恵はどうされたいの?いきたいとかいきたくないとかばっかだけどさ」って棚に上げまくったこと聞いたらぐちゃぐちゃの顔で「…ほどほど、が、いい…」て返すおめぐ。顔はまだまだブチ切れてるけど頭はまだふわっとしてて、そんな回答に「ほどほどって何!」て笑うと今度はちゃんとグーパンが入る。

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あまりにもおめぐが可愛く無さすぎて供養とします
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誰かと結婚して、子供を作って、生涯添い遂げる、そういう幸せを得たらきっとつみきは安心してくれるし喜んでくれる。って思うおめぐはいるかいないかで言ったら…まぁ…いるよね……
つみきちゃんが生きてたら、決してそれだけが幸せの形じゃないよって心にずっとごじょを住まわせてることを肯定してくれるだろうけれど、いないから「それが普通の幸せなんだ」って思い込むおめぐは…まぁ……おるよな……………頭ではつみきちゃんがそうやって自分の心に嘘ついてまで見かけだけの幸せを手にしようとすることを是とはしないし、相手に対しても失礼で最低だって言ってくれるの分かってるんだけど、いないからそうやって考えることを誰にも止めてもらえないんだよね……

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つみきちゃんならごじょと共にあることがおめぐの幸せなのなら心から祝福してくれるだろうことは頭では分かってるけど、その自分の一番の幸せの相手はもういないし、なんなら祝福してくれるであろうつみきちゃんもいないから、せめて記憶の中のつみきちゃんに心配かけないようにとステレオタイプな幸せを手にしようとして心にはずっとごじょがいてどうにもならないのを分かってて誰かと添い遂げるおめぐはいるかいないかで言ったら…まぁ…いるよね……

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ご都合被呪により女の子になってしまい、しかも解呪するには愛する人との性行為が必要になってしまったおめぐ。
当然ごじょとすることになるが、2人揃ってお互いしか知らず女性経験がない為「なんか女の人はここがとりあえず気持ちいいらしい」「はぁ…」「男でいうとちんこにあたる?らしい?」「…はぁ…」とネットで知識を齧りながら手探りで挑む回。
尚、前は当然経験が無いためおめぐが「気持ちよくないですね…痛いのはまぁ、いいんですけど」「よくないね」「とにかく気持ちよくない…」「……もしかして、おしりの方が良かったりしちゃう?」「……………もしかすると…」「そっちのが慣れてるもんね…」となり「じゃあ準備してきます」と颯爽と風呂場に消える

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「殺す気か」
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おさんぽ🍒

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冷めない珈琲
柊英です


「違っていたら怒ってくださいね?」
 そう1つ前置きして柚月は神妙な顔で英知を見た。そんな顔をされてしまえばついついこちらもかしこまってしまうのが人間というもので、英知と柚月だけの会議室で思わず背筋を伸ばした。
 今後のQUELLについて、忙しい柊羽に代わって今日は英知が彼と話し合いをしていたのだがそれがやっと一段落したところだ。肩の力を抜いて、珈琲でも飲みながら一息。のはずだったのだけど。
「…な、何でしょう…」
「そんなかしこまった話ではないんですけど…いや、軽い話でもないんですが…」
 ごくりと生唾を飲み込む音すらやけに大きく響いた。
「英知くんと和泉さん、お付き合いされてますよね?」
「………」
「あっ、違いましたか⁉」
 返事を返せずに黙り込んだ英知に柚月が慌てたように視線を彷徨わせる。手も同じようにあっちこっちへ彷徨わせて。1人ですいませんだとか、やっぱ勘違いですよねだとか、すいませんだとか頭を下げ始めている柚月に英知はただただ、「お付き合い、しております…」としか返せなかった。折角のインスタントコーヒーが手のひらの熱で煮立ってしまうのではないか、なんて。ここは恥じらうところではなく、さっと青ざめるところなのではないかとどこか冷静な頭が言っているが人に指摘されるとやはり恥ずかしいものなのだ。
「あっ、別にばらそうとかそういうことはないんですよ⁉」
「…それは、なんとなく、分かります…」
「よかった…」
「えーっと、俺達そんなに分かりやすかったですか…?」
 幸いなことに珈琲は煮立つことはなく、静かにカップの中にいてくれた。がしかし、一体どこが決め手で知られてしまったのだろうと考えを巡らせれば漸く血の気が引いていくようだった。
 英知の言葉に、柚月がようやっと騒がしく動かしていた手をテーブルに置いた。少しだけ視線を斜め上に持ち上げて、何かを思い出すようにふっと彷徨わせて。
「視線、ですかね。いつだってQUELLの中にはお互いを想いやって慈しむ視線や空気が満ちていますが、英知くんと和泉さんはまたちょっと違うというか……上手くは言い表せないんですけどね」
 そう言ってはにかんだ柚月に一体いつの、どの瞬間を思い浮かべたのかなんて聞けやしなかった。視線、空気、そんなもの自分で意識してどうにかなるもんじゃあない。気をつけないととは当然思うけれど、なんだかこれじゃまるで。
「…オーラで惚気けてるみたいですね…」
「っふふ、言い得て妙、ですね」
 珈琲には英知がどんな顔色をしているかなんて映らないが、柚月が幸せいっぱいなんですねなんて笑うからきっと茹でだこみたいな顔をしているのだろう。
 そりゃそうだ。幸せいっぱいなのだから。

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束の間おかえり、昔の君
 柊英です。多分ピエコロ衣装


「……はぁ、なるほどねぇ……」
「そんなに見ても何も無いぞ」
 慣れない髪型に加えてまじまじと見詰められる居心地の悪さにか、柊羽は視線から逃げるように額を手のひらで隠した。普段見ることの無い柊羽の額は、何だか少しだけ彼を幼く見せる。まだデビューしたての頃は前髪も短かったから、それを思い出すのかもしれない。
「なんかこう、柊羽が若返った?みたいな?」
「なんだそれは」
 戸惑った顔をしていた柊羽がそこでやっと小さく笑う。普段着ることの無いラフなパーカーも大きく晒された額も、ちょっとした居心地の悪さにか困ったように小さく笑う顔も全部が全部英知がよく知らない子供の柊羽みたいで堪らない気持ちになる。愛おしいとは、きっとこのどうしようもなく胸が苦しくなる今のことを言うのだろう。
「ふふ、やっぱおでこ出してる柊羽っていいなぁ」

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優しさの空回り
柊英です


 2人だけで衣装合わせをするのには、今でも少しだけ緊張する。まだまだ色々なものの善し悪しが分からない自分たちは、それが本当に最適解なのか自信を持てないのだ。少しの緊張と不安を抱えながら試着室の中で首を捻る。壱流とのデュエットソング、2人だけというのも特別だし、テーマも独特だ。何を選べば良いのだろう。隣にいる壱流に意見を仰ごうと右側を見ればちらりとジーンズのポケットからストラップが見えた。
「壱流、それ」
「ん?…あー、これ?スマホに付けた」
 ついと壱星が指させば、ポケットから出したスマホを揺らしてみせた。可愛らしくデフォルメされた赤いペンギンが、可愛らしく揺れる。つい先日ロケで水族館に行った英知がくれた物だ。赤と青の可愛いペンギンのストラップと、同じく可愛いペンギンのトートバッグを2つ。ペンギンなんて歳でもないだろうに、なんでかと聞いたら可愛いから!の一言だった。
「じゃあ俺もスマホに付けようかな」
「壱星は大学に持ってってんだっけ?トートバッグ」
「うん。結構便利」
 ロケから帰ってきた英知は妙に上機嫌で、帰ってくるなりお土産!と言って渡してくれたのだったか。
「なんかこれくれた日の英知、機嫌がよかったよね」
「あぁ〜確かに。…まぁ、あれじゃね?」
「柊羽関連?」
「そ」
 スマホをポケットに戻した壱流が、再び用意された衣装に目を通し始めながら呆れたように言う。
「早く言ってくんねーかなぁ〜」
 続くように壱星も目を通しながらそれはそうだと頷く。詮索することでもないしこちらから聞くことでもないし、ただただ待つことしか出来ないのだが、それが少し寂しい。2人なりに考えがあってのことなのだろうけれど。
「いつまでも知らないふりしてるのも、なんかね」
「歯がゆいっつーか」
「後ろめたいというか」
 ロケ先で何があったのかは知らないけれど、上機嫌な英知の理由が何となく察しがつくだけに知らないふりをしているのはなんだか後ろめたい。壱星としては偏見はないつもりだし、壱流もそうだろう。なんだか柊羽も英知も、壱星も壱流も、優しさばかりが先回って遠回りをしている気がする。
「でもま、俺たちで決めたことだしな」
「のんびり待つしかないよね」
 向こうがまだ言わないと決めたように、壱星と壱流も向こうが言い出すまで待つと決めたのだ。
 さて、と壱流が手を打った。
「さっさと衣装決めようぜ。そんで帰りにお土産でも買ってこ」
 ペンギン?と言えば壱流は4人でペンギン揃えるかと笑った。


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見えないルージュの誘惑
柊英です


「…やっぱ逆じゃない?」
「そうか?」
 至極不思議そうに首を僅かに傾げてみせた柊羽は、たとえシーツに押し倒されていようが様になっていた。好きな人をベッドに押し倒しているのだ。男として大層燃え上がる瞬間だろうに、悲しいかな立場が逆転している方が英知の頭ではしっくりきてしまった。慣れとはかくも恐ろしい。
「俺としてはなかなか眼福なんだが」
「いや、それは俺もそうだけど…」
 肘で体を支えながら柊羽の顔を挟んでいるため、随分と距離が近い。いつだかに流行った壁ドン、とは違うが擬似的にそれを体験しているような気持ちになる。
 そもそも何故こんなことになっているのか、現実逃避がてらちょっと振り返ってみれば英知が受け取ったCMの概要が事の始まりだった。
 女性向けの化粧品のCM。真っ赤なルージュを引いた女優を英知がベッドに押し倒し、唇に手を伸ばす。彼女と英知の唇が近づき、アップになり、触れる直前でカメラは止まり、商品名と宣伝文句が流れる。そんな大人な雰囲気が色濃いもの。
 本音を言ってしまえば、自分より柊羽が適任だろうと思わないでもないが、先方は英知がいいと言うのだ。当然やらない出来ないなんて答えはなく、受け取った概要を見ながら自分にこれがこなせるだろうかと考えていたところに、柊羽の奔放な好奇心が飛び出した。「英知に押し倒されたことがないな、そういえば」だなんて。
「…てか、実際どう?俺に押し倒されてみて」
「悪くないな。…だからもう少しだけ、この距離でいたい」
「そう言われちゃうとなぁ」
 柊羽が小さく笑う。
「断れないだろう?」
「よくご存知で。……?」
 不意に柊羽の指が英知の口元へと伸ばされる。かさついた表面をなぞる指をそのままに、言葉を待てば少しだけ眉を下げて柊羽は言った。
「だが、俺以外の人間がこのアングルで英知を見るのかと思うと、少し妬けるな」
「……今言う?」
「っはは、嬉しいリアクションだ」

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愛とは強かに
柊英です


「すまない、英知」
「…あぁ、それ」
 本当に申し訳なさそうな顔で柊羽が見せてきたのは今日発売したばかりの週刊誌だった。派手な見出しでもってゴシップをよく載せている雑誌で、決してイメージがいいわけではないそれ。柊羽に渡されたそれの表紙には、目立つようについ先日クランクアップしたドラマで共演していた女優とのツーショット写真が撮れたとあった。ご丁寧に打ち上げ後の逢瀬か、なんて言葉も添えて。
「珍しいよね、柊羽が撮られるの」
「なるべく2人きりにはならないように気をつけていたんだ。…でも、どこかから撮られた。すまない」
「っていやいや、そんな申し訳なさそうな顔しないでよ!」
 解像度の低いモノクロの写真でも柊羽の顔立ちが綺麗なのがよく分かる。確かに共演した彼女とは似合いのツーショットだ。並ぶと絵になる、お似合いだ。けれど英知にとってはそれだけの話。
「別に疑ってないし不安にもなってないし、そもそもこれ根も葉もない噂でしょ?」
 未だ下がったままの柊羽の眉が、彼の誠実さを物語っている。どうしたって人気や知名度があればそれを餌にありもしない噂を流されるのは当然のことだ。有名税、なんて言われたりもするがまさしくその通り。度が過ぎていたら話は別だが、どこかから写真1枚撮られるくらいで不安になって凹んでいたり気にしていたらきりがない。
「第一、これでもかってくらい柊羽に愛されて大事にされてるのに、今更写真1枚で疑う方が失礼だ」
 英知の言葉に、柊羽が幾度か瞬きしてから小さく息を吐き出した。さっきよりちょっと明るくなった顔で笑う。
「…英知のそういうところが、俺は好きだよ」
「俺も、柊羽のそういう真面目なところが好きだよ」
 そう返してやれば柊羽は敵わないと手にしていた雑誌を近くにあったゴミ箱へと入れた。

 
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夢でも逢えやしない
柊英です


 植物園を貸し切っての撮影。そう雑誌の後ろに載っている編集後記には書いてあった。その文字の通り、雑誌の表紙に起用されていた柊羽は緑の中に凛と立っていたし、ぱらりと捲った中にも緑の中で微笑む柊羽の姿がいくつもあった。本当に、実に絵になる。ただ立っているだけでもう彼はひとつの特別になっていた。
 その雑誌を小脇に抱えて、本来買う予定だったコミックスの新刊を何冊か手に取ってレジへと向かう。この手に取った漫画本がいつ落ち着いて読めるのか、それはちょっと分からないが柊羽の載ったこの雑誌はいの一番に読むに違いなかった。
 
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 僅かな昼休みに本屋に駆け込んだおかげで少しも落ち着いて昼食にはありつけなかったが、その日は珍しく仕事が早めに終わった。と言ってもごく一般的なサラリーマンからしたら随分と遅い帰宅であることに変わりはないのだけど。けれどADとはそういうものだと思うし、この生活が楽しいのだから何も問題も文句もない。
 ただ、それなのに僅かばかり気分が晴れないのはどうしてだろうか。コンビニで買ってきた安い缶ビールと値下げされた惣菜、昼休みに買った雑誌達を疲れた腕で乱雑に置きながら考える。
(まぁ、理由とか分かってるけど)
 自分が和泉柊羽と友人であることが不思議でならない。どうしてこう気軽にメッセージのやりとりができて、会話もできて、時間が合えば食事にだって行けるのだろうか。案外和泉柊羽という人間は見た目に反して気さくで話しやすい。先に声をかけてきたのも向こうからであったし、だからこそ、こうやって柊羽が雑誌の表紙なんかにいると忘れかけていたことを思い出してしまうのだ。
 彼はこうやって植物園を貸し切って雑誌の表紙を飾る人間だし、来週には彼が出演するドラマに番宣もある。どこかのブランドの広告もしていただろうか。
 英知と柊羽は、住んでいる世界があんまりにも違いすぎるのだ。
(…そりゃ、酔いたい日もあるよね)
 元からどうにかなるつもりも、どうにかなれるとも思ってはいなかったが、ふと現実を見てはやり場のない気持ちを持て余していた。友人としても、勝手に想っているにしても、彼はあんまりにも遠い世界の人間だった。

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