薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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無下限に夢見てる
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「めぐみぃ……めぐみ…」
今にも消えそうな声で伏黒を呼びながら五条が布団の中で丸くなっている。カーテンも閉められて電気も消された寝室は昼間なのに少しだけ薄暗い。遮光カーテンだから余計に。用意した氷嚢を更にタオルで包んで、たったそれだけの短い時間で何回呼ばれたことか。伏黒を呼ぶ声は随分と弱々しくて、ここまで重症なのは久しぶりだった。
五条は時折こうして布団にくるまって動けなくなる。反転術式で常に脳を修復している反動だと本人は言っていたが、常に頭が痛いのだという。普段はすっかり慣れきって気にもしていないというが、ごくごく稀に、こうして布団の中で小さく丸くなって伏黒を呼ぶしかできなくなる時があるのだ。
「五条さん、薬は?」
ベッド脇に腰掛けて布団を捲れば、それすら眩しいのか少しだけ目を眇めた。サイドチェストの上に手を付けられてないコップと頭痛薬があったから飲んでいないのは明白だが、一応聞いてみれば「効かないから飲んでない」と言った。
「気休めでも飲まないと。用意してる間に飲んでって言ったでしょう」
「起きるのもしんどい」
「仕方ない…」
そう言いながら五条の視界を隠すようにタオルで包んだ氷嚢を瞳の上に置く。頭痛には冷やすといい、とどこかのネット記事で読んだのだが五条には意外と効くらしく、こうして冷やしてやればいつも気持ちよさそうに息を吐き出した。
「ちょっと口開けてください」
手を付けられていなかった錠剤を五条の口に放り込み、伏黒はコップの中身を1口含んだ。氷嚢で視界を隠したまま、開けられた五条の口に伏黒の口から直接水を流し込む。多少ぬるくはなってしまっただろうが、五条は冷えた水を錠剤と一緒にすぐ飲み干した。それから追加でもう二口ほど口移しで飲ませれば、氷嚢を押さえていた伏黒の手に五条の手が重ねられる。
ずらされた氷嚢の隙間から、潤んだ瞳が伏黒を見た。
「こういうの、元気な時にしてほしい…」
「軽口叩けるならもう大丈夫ですね」
五条の手を振り払い、もう一度視界を冷やしてやれば少しだけ持ち直した五条が「まだ面倒見ててよ」と、先程よりはちょっとだけ元気になった声で言った。
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2023.09.08 21:04:44
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無下限に夢見てる
「めぐみぃ……めぐみ…」
今にも消えそうな声で伏黒を呼びながら五条が布団の中で丸くなっている。カーテンも閉められて電気も消された寝室は昼間なのに少しだけ薄暗い。遮光カーテンだから余計に。用意した氷嚢を更にタオルで包んで、たったそれだけの短い時間で何回呼ばれたことか。伏黒を呼ぶ声は随分と弱々しくて、ここまで重症なのは久しぶりだった。
五条は時折こうして布団にくるまって動けなくなる。反転術式で常に脳を修復している反動だと本人は言っていたが、常に頭が痛いのだという。普段はすっかり慣れきって気にもしていないというが、ごくごく稀に、こうして布団の中で小さく丸くなって伏黒を呼ぶしかできなくなる時があるのだ。
「五条さん、薬は?」
ベッド脇に腰掛けて布団を捲れば、それすら眩しいのか少しだけ目を眇めた。サイドチェストの上に手を付けられてないコップと頭痛薬があったから飲んでいないのは明白だが、一応聞いてみれば「効かないから飲んでない」と言った。
「気休めでも飲まないと。用意してる間に飲んでって言ったでしょう」
「起きるのもしんどい」
「仕方ない…」
そう言いながら五条の視界を隠すようにタオルで包んだ氷嚢を瞳の上に置く。頭痛には冷やすといい、とどこかのネット記事で読んだのだが五条には意外と効くらしく、こうして冷やしてやればいつも気持ちよさそうに息を吐き出した。
「ちょっと口開けてください」
手を付けられていなかった錠剤を五条の口に放り込み、伏黒はコップの中身を1口含んだ。氷嚢で視界を隠したまま、開けられた五条の口に伏黒の口から直接水を流し込む。多少ぬるくはなってしまっただろうが、五条は冷えた水を錠剤と一緒にすぐ飲み干した。それから追加でもう二口ほど口移しで飲ませれば、氷嚢を押さえていた伏黒の手に五条の手が重ねられる。
ずらされた氷嚢の隙間から、潤んだ瞳が伏黒を見た。
「こういうの、元気な時にしてほしい…」
「軽口叩けるならもう大丈夫ですね」
五条の手を振り払い、もう一度視界を冷やしてやれば少しだけ持ち直した五条が「まだ面倒見ててよ」と、先程よりはちょっとだけ元気になった声で言った。
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