薄明
ごじょうさとる×ふしぐろめぐみ
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2024年9月の投稿[14件]
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2024年9月24日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
2年前に描いたやつの焼き増しだけど、すごく気に入ってるやつだったから今の絵で描けてよかった〜
2024.09.24 01:46:38 編集
2024年9月23日 この範囲を時系列順で読む この範囲をファイルに出力する
花束を私から貴方へ
津美紀ちゃんの結婚式に行った五伏
誰かの挙式に行くなんて、きっとこれが最初で最後だ。結婚式がどういうものか、ぼんやりしたことしか分からなくて知らないことの方がずっと多い。それでもどこか心は浮き足立っていた。恵と共に呼ばれた五条もそれは同じだったようで、家の付き合いやら何やらで何度も誰かの式に出席したことがある筈の五条も「楽しみ」と零していた。
ふわふわした恵の知識の中で津美紀は綺麗なドレスを着て、花に囲まれて、いつか紹介してくれたからっと笑う新郎と一緒に幸せそうにずっと笑っている。純白な空間はきっと津美紀に良く似合う。溢れんばかりの祝福の中で誓いの言葉を交わして、永遠を約束する。想像するだけで目頭が熱くなって、胸がいっぱいになる恵に五条が「早すぎ」と笑ったのも1回や2回じゃない。緊張と、沢山の喜びと、ちょっとした寂しさを抱えたまま当日を迎えるのはあっという間だった。
恵と共に家族席に案内された五条は少しバツが悪そうに「本当にいいのかな」と言っていたが、恵からすれば何を今更と思う。2人しかいないこの家族を、血は繋がっていなくても幼い頃から面倒を見てきてくれた男が3人目の家族でなかったらなんだと言うのか。仮に恵が誰かと式を挙げるのなら、間違いなく津美紀と同じように五条を家族の1人として案内するというのに。
思っていた通り津美紀にぴったりのウエディングドレスに、緊張で噛みながら祝辞を読み上げる五条。それを笑っていたら津美紀からのサプライズで恵へのメッセージ動画を流されて言葉も返せないくらい泣いてしまったり、それをまた五条に笑われたり。その五条だって泣いて目元が赤くなっていたけれど、それを突っ込む余裕はなかった。
余韻に浸って、恵と五条は帰り道で何となく無言だった。沢山の笑顔と祝福と幸せの涙に包まれたこれ以上ない良い式だったと思う。最初から最後まで、悲しいことなんてあの場所あの時間には何一つ存在しなかった。泣き腫らした恵の目はきっと明日になっても戻らないだろうし、むしろ暫くは思い出して目頭がちょっと熱くなるだろう。幸せのおすそ分け、と言うには貰いすぎなくらいだ。
「恵」
並んで歩いていた五条が不意に立ち止まる。五条の後ろにある夜空の星が滲んで見えるのは、まだ嬉し泣きの名残が瞳に残っているからだ。風に揺られてブーケトスで五条が取った花束が音を立てる。津美紀が投げたそれが五条目掛けて飛んできたものだから取らない訳にもいかず掴んだ五条と、それを見てあんた女じゃないでしょ、なんて笑ったのもついさっきのことだ。
きらきらと光が滲んで見える。滲んだ丸い光が五条の周りを飾る。予感がした。
「結婚しよ」
ばっと花束を持ち上げて恵の眼前に掲げる。
「え、…っちょ、」
そのまま片膝まで付きそうな勢いの五条を慌てて静止するのが精一杯だった。自分たちが一緒に暮らす高専の寮まですぐそこだ。人通りが無いとはいえ、完全に人目がないわけじゃない。それでもやめろとは言えなかった。
どっどっ、と心臓が早鐘を打つ。津美紀の幸せに当てられた?いいなと思ってしまった?キザなことをやってみたくなった?色々と頭の中を巡ったが、それでも一番に口から出てきたのは「俺も同じこと、思ってました」だった。
花束を受け取って、真っ赤な顔に真っ赤な目をしたかっこいいよりかっこ悪いが勝る五条の顔を見て、思わず笑う。
「俺がブーケ取ればよかった。そうしたら俺から言ってました」
「あ〜マジで取ったの僕でよかった!」
畳む
津美紀ちゃんの結婚式に行った五伏
誰かの挙式に行くなんて、きっとこれが最初で最後だ。結婚式がどういうものか、ぼんやりしたことしか分からなくて知らないことの方がずっと多い。それでもどこか心は浮き足立っていた。恵と共に呼ばれた五条もそれは同じだったようで、家の付き合いやら何やらで何度も誰かの式に出席したことがある筈の五条も「楽しみ」と零していた。
ふわふわした恵の知識の中で津美紀は綺麗なドレスを着て、花に囲まれて、いつか紹介してくれたからっと笑う新郎と一緒に幸せそうにずっと笑っている。純白な空間はきっと津美紀に良く似合う。溢れんばかりの祝福の中で誓いの言葉を交わして、永遠を約束する。想像するだけで目頭が熱くなって、胸がいっぱいになる恵に五条が「早すぎ」と笑ったのも1回や2回じゃない。緊張と、沢山の喜びと、ちょっとした寂しさを抱えたまま当日を迎えるのはあっという間だった。
恵と共に家族席に案内された五条は少しバツが悪そうに「本当にいいのかな」と言っていたが、恵からすれば何を今更と思う。2人しかいないこの家族を、血は繋がっていなくても幼い頃から面倒を見てきてくれた男が3人目の家族でなかったらなんだと言うのか。仮に恵が誰かと式を挙げるのなら、間違いなく津美紀と同じように五条を家族の1人として案内するというのに。
思っていた通り津美紀にぴったりのウエディングドレスに、緊張で噛みながら祝辞を読み上げる五条。それを笑っていたら津美紀からのサプライズで恵へのメッセージ動画を流されて言葉も返せないくらい泣いてしまったり、それをまた五条に笑われたり。その五条だって泣いて目元が赤くなっていたけれど、それを突っ込む余裕はなかった。
余韻に浸って、恵と五条は帰り道で何となく無言だった。沢山の笑顔と祝福と幸せの涙に包まれたこれ以上ない良い式だったと思う。最初から最後まで、悲しいことなんてあの場所あの時間には何一つ存在しなかった。泣き腫らした恵の目はきっと明日になっても戻らないだろうし、むしろ暫くは思い出して目頭がちょっと熱くなるだろう。幸せのおすそ分け、と言うには貰いすぎなくらいだ。
「恵」
並んで歩いていた五条が不意に立ち止まる。五条の後ろにある夜空の星が滲んで見えるのは、まだ嬉し泣きの名残が瞳に残っているからだ。風に揺られてブーケトスで五条が取った花束が音を立てる。津美紀が投げたそれが五条目掛けて飛んできたものだから取らない訳にもいかず掴んだ五条と、それを見てあんた女じゃないでしょ、なんて笑ったのもついさっきのことだ。
きらきらと光が滲んで見える。滲んだ丸い光が五条の周りを飾る。予感がした。
「結婚しよ」
ばっと花束を持ち上げて恵の眼前に掲げる。
「え、…っちょ、」
そのまま片膝まで付きそうな勢いの五条を慌てて静止するのが精一杯だった。自分たちが一緒に暮らす高専の寮まですぐそこだ。人通りが無いとはいえ、完全に人目がないわけじゃない。それでもやめろとは言えなかった。
どっどっ、と心臓が早鐘を打つ。津美紀の幸せに当てられた?いいなと思ってしまった?キザなことをやってみたくなった?色々と頭の中を巡ったが、それでも一番に口から出てきたのは「俺も同じこと、思ってました」だった。
花束を受け取って、真っ赤な顔に真っ赤な目をしたかっこいいよりかっこ悪いが勝る五条の顔を見て、思わず笑う。
「俺がブーケ取ればよかった。そうしたら俺から言ってました」
「あ〜マジで取ったの僕でよかった!」
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見えないけど実は薔薇
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